金(ゴールド)の妥当価格はいくら?
株式投資の場合は、企業が上げた利益を発行済み株式数で割って1株当たりの利益を算出するEPS(1株当たり利益)などの妥当価格を探るための指標がいくつかあります。
これに対して、金(ゴールド)については、現在の金価格が高いのか、それとも安いのかについての株式投資のような指標がないので、価格の客観的な評価はしにくいというのが実情です。
とはいえ、妥当価格はわからなくても、最低価格は推測することが可能です。というのは、鉱山会社が「金」を採掘する際にどれくらいのコストがかかるのかを、1トロイオンス当たりのドル価格で表した「産金コスト」を見ればいいからです。
ちなみに、2008年のデータでは、産金コストの国際平均値は585ドル、1990年は323ドル、2000年は238ドルでした。
なお、もし「金」の妥当価格を探ろうとするのであれば、市場に受け入れられた価格ということで過去12か月間の平均値が1つの目安になるかもしれません。
南アフリカ共和国の産金コストは高い?
南アフリカ共和国の2008年の産金コストは607ドルと非常に高くなっています。
これは、開発されてから100年を超える金鉱山が多く、採掘しやすい場所の金(ゴールド)はなくなり、地下4000メートル近くまで掘り進まなければ金(ゴールド)が採れないところにあるからです。また、人件費や燃料費が高くなれば、当然それもコストに上乗せされます。
オーストラリアの産金コストは?
オーストラリアの産金コストは、近年急激に高くなっています。
これは、かつては地表に金脈が出ていたことから、露天掘りが可能な金鉱山が多かったのですが、それらは掘り尽くしてしまい、現在は地下深くまで掘り下げなくてはならなくなっているからです。
また、豪ドル高の影響によって、ドル建ての産金コストも押し上げられ、2008年には702ドルに達しています。
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