金ETFの購入層は?
金ETFは、主として年金基金のような長期運用を主体とした機関投資家が購入していましたが、2008年頃からは投資家の層が広がりつつあります。
具体的には、ヘッジファンドが中期的なスタンスで購入したり、富裕層が欧米の金融機関の破綻やインフレを懸念して資金をシフトさせたり、一般の個人投資家が分散投資目的で購入するケースも目立っています。
金ETFによる吸い上げ効果とは?
金ETFが登場したことにより、金市場には新たな資金が流入し始めたわけですが、金ETFの残高が増えれば現物金の保管量も増えることから、現物の「吸い上げ効果」が生じて需給構造にも影響を及ぼしています。
「SPDRゴールド・シェア」が保有する「金」の増加量は、2008年は年間で152トンでしたが、2009年には347トンの増加とペースが上がっています。
ちなみに、2010年2月17日現在の残高(信託総純資産価値)はおよそ1109トンに達していますが、この規模はスイス中央銀行が保有する「金」の量に匹敵するほどのものです。
なお、2010年2月17日現在の金ETF全体の残高は1789トンとなっています。
金ETFとはどのようなものですか?
金ETF(上場投資信託)とは、株式などと同様に東京証券取引所などの証券取引所で売買されている投資信託のことです。この金ETFは、運用対象の値動きに連動するように設定されています。
金ETFであれば、金価格の値動きにほぼ連動した運用成果が狙えますので、現物の「金」を保有することなく、金価格の上昇・下落のチャンスを捉えて金ETFを売買することにより、現物の「金」の売買と同様の投資効果を得ることが可能です。
また、金ETFは受益証券というペーパー資産なので、保管場所には困りません。なお、一定額以上保有していれば、現物での引き出しを要求することも可能です。 |