中央銀行の買値に金価格が近づいていく理由は?
金(ゴールド)というのは、よく「無国籍通貨」であるといわれます。
誰の信用にも基づかない実物資産の金(ゴールド)を保有しておけば、次に別の通貨に替えるときもスムーズにいきます。
もちろん、金現物を保有したまま何十年と保管しておいても、形も価値も薄れることはありません。
また、中央銀行はファンドではありませんので、値上がり益を狙って売買を繰り返したり、配当の原資にするために一部を売却することもありません。
中央銀行の姿勢は長期保有なので、購入した金(ゴールド)は、金庫の奥深くに眠り続けることになるのです。
つまり、中央銀行に存在する金(ゴールド)は、実在するのに存在しないのと同様になるのです。
このことは、需給を引き締め、心理的効果も働きます。
ちなみに、前述の例でいえば、「インドの中央銀行が1045ドルで購入したのだから、そこまで金価格が下落したら買いだな」と誰かが言い始めれば、そこまで値下がりして1045ドル水準まで近づいていき、そこで買いが入るようになるのです。
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