アメリカの財政赤字で円高ドル安になる?
米国の2009年9月までの2009会計年度の財政赤字は、金融危機に対応して大量に国債を発行した結果、過去最大、前年比で4倍以上の1兆4130億ドル(約127兆円)にも膨らみました。
さらに、2010年も国債の大量発行が予定されており、オバマ政権は、1兆2670億ドルと同じ規模の赤字を想定しています。
米国は、かつてより財政赤字が指摘されていましたが、その頃というのは経済が堅調でしたので、債務残高もGDP比で見ればある程度の余裕がありました。
しかしながら、現在の状況はその頃とはまったく異なります。
これは、収入が減少して苦しいのにもかかわらず借金を続けており、さらに来年も収入が増える保証はなく、借金を続けなければ生活ができない、というような悪循環に陥っているからです。
市場がこのことに気が付いて「アメリカはもうダメだ」と見放すようなことがあれば、為替市場ではドルが売られてドル安になり、円高になります。
つまり、日本の状態も決して良いわけではないのに円高が起こるのです。
なぜ日本の状態が悪くても円高になるの?
日本は世界最大の債権国であるため、海外から受け取る利息収入や配当収入があるのですが、その金額は貿易黒字よりも大きく、経常収支はそれほど簡単に赤字にはなりません。
つまり、経常収支が黒字の間は、強烈な日本売りは起こりにくいと考えられるのです。
しかしながら、2〜3年の間に現在のような状況が改善されないと、いよいよ本格的な円安が起こる可能性がありますので注意したいところです。
このような状況下においては、金(ゴールド)を資産防衛手段の1つと考え、金(ゴールド)をある程度保有しておくのが、将来への不安に対するヘッジになると思われます。
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