日本がドル安を誘導することはできるの?
前述したように、日本の場合は、海外に国債を買ってもらっているわけではありませんので、海外に国の借金としての円はありません。
一方で、米国は、世界中に国債を買ってもらっており、その最大の債権国が中国や日本となっています。
このように、ドルというのは海外にばら撒かれているので、外国は「ドル売り」をすることができます。例えば、日本が保有している米国の国債を売却すれば、それによってドル安を招きます。
これに対して、そもそも円は海外に出ていませんので、売却することができません。
もちろん、もしヘッジファンドが日本を標的にしたり、海外の有力格付け機関が日本国債を格下げしたりすれば、ある程度の円安にはなるでしょうが、それでも超円安とまではなりません。
さらに、輸出相手国である米国の国債を日本が売却して、これ以上ドル安を誘導するなどというのは、まず考えられません。
赤字国債とはどのようなものですか?
赤字国債というのは、政府が予算を編成する際に、歳出(支出)に対して歳入(収入)が不足しているときに発行する国債のことをいいます。
ちなみに、建設国債というのは、道路などのインフラを建設するためだけに使用される国債のことを指していいます。
この赤字国債の償還期限はあらかじめ決まっていて、発行時点では金利が決まっている固定金利型、金利に連動する変動金利型、消費者物価指数によって元本が増減する物価連動型があります。
なお、国債は証券市場に上場されていますので、償還時期を待たなくても市場で売買することによって現金化することができます。
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