エマージング通貨への投資と経済成長
エマージング通貨とは、マイナー通貨に属する中でも、経済成長著しい新興国や地域の通貨のことをいいます。
1990年代前半、これら新興国への欧米からの投資が盛んになりましたが、これは高い経済成長や収益性が見込まれていたからにほかなりません。
一方で新興国側も、海外からの資本を頼りに益々成長を遂げていきました。
為替レートの歪みへの対策と投機の仕掛け
新興国の通貨が管理通貨制度や固定相場などによって安定している間はよいのですが、海外からの資本流入があまりにも過剰になると、為替レートにも歪みが生じてきます。
変動相場制であれば、為替レートの歪みも自然と調整されていくわけですが、新興国は自国通貨の下落を防ぐために介入で買い支えるなどして対応策を講じるしかなかったのです。
しかしながら、いったん流出し始めた海外資本の流れは止まらないだけでなく、新興国の為替レートの歪みに目を付けて投機を仕掛けるヘッジファンドもいましたから、最終的には、通貨の切り下げに踏み切り、中にはIMFから融資を受けて経済の建て直しを図った国もあったのでした。
これが、1990年代後半にアジアやロシアで起きた通貨危機です。
このように、マイナー通貨、特にエマージング通貨というのは、収益性も高いのですが、大きな損失を被るリスクもありますので注意が必要になります。
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