経常移転収支とは?
経常移転収支というのは、資金援助や資金協力での収支を計上するものです。
日本は経済大国としての責務を果たすために、多くの国や国際機関に対して、多額の資金援助や資金協力をしています。
こうした援助や寄付というのは、報酬や見返りを求めるものではありませんので、反対給付はありません。
このような対価をともなわない援助や無償の資金協力が、経常移転収支として計上されることになります。
ちなみに、日本は援助や資金協力で大きく貢献していますので、経常移転収支は常に赤字になっています。
テロ対策等治安無償とは?
テロ対策等治安無償というのは、2006年に、テロや海賊対策への支援のための予算として新たに加えられたものです。
これは、1990年代後半より、マラッカ海峡を含む東南アジア海域での海賊による被害増加などが背景にあります。
多くの物資を海上輸送によってまかなう日本にとっては、海上交通の安全確保は必須といえます。
このような支出は、経常移転収支のマイナス項目として計上されます。
日本への援助は?
阪神・淡路大震災のときには、日本に世界中から様々な援助が寄せられました。
この場合には、受けた援助というのは日本にお金が入ってきたということになりますので、経常移転収支のプラス項目として計上されます。
海外留学生への仕送りは?
親が海外留学生に、日本から学費や生活費を送金する場合は、一方的な給付としてお金が日本から出ていきますので、マイナスの移転収支として計上されます。
また、日本に居住している外国人が、お金を外国にいる家族や親戚に送金する場合も、日本から外国にお金が出ていきますので、国際収支上ではマイナス項目としての計上となります。 |